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いとなミズム

いとなミズムは、バッグブランド「wonder baggage」のメディアコンテンツ。

ブランドコンセプト「社会を、旅する。」を体現するため、その旅のかたちを様々な仕事人の言葉から集めていきます。異なる業種、異なる経緯、異なる価値観。書き手それぞれの「仕事」を通じた社会との関わりを読むことで、あなた自身の立ち位置が、少し違って見えてくるかもしれません。

発表にあたり、アンソロポロジストの室越龍之介氏に企画の言語化をお願いしました。今後は様々な業界のプロフェッショナルを招き、不定期で掲載していきます。

贈りものとしての仕事

「仕事」とはなんだろうか。

ひとまず、ここでは、「人々と関係を築く、贈りもののひとつ」だと考えてみてはどうだろう。

僕たちが生活をする場では、たくさんの人たちが関わりを持つ。家族や友人、近所の人。もう少し考えを広げると、あなたが履く靴を作る人がいるし、着る服を作る人もいる。あなたが食べ物を買うスーパーで、食べ物を売る人もいるし、そこまで運ぶ人、作る人もいる。テレビを見れば、テレビ番組を作り、配信し、電波を行き渡らせる人もいるし、YouTubeだって、Tikitokだってそうだ。

人々のつながりのなかで、僕たちは生活をしている。

実は人々だけではない。家族にはペットだっているだろう。肉を食べるということは、牛や豚を飼う人々もいるということでもある。インターネットをするときにはパソコンやスマートフォンを使う。動物やモノや情報も僕たちの生活を支えるネットワークに参加している。このような、ヒトや動物やモノや情報が行き交うネットワークを「社会」と呼んでみよう。

では、「社会」には、どうやって参加するのだろうか。

ランダムに広がる人々と人々以外のネットワークの中で、僕たちはどうやって居場所を見つけるのか。その方法の一つが、他の存在の役にたつことだ。他の存在の役に立てば、その人はかけがえのない役割を持つことができる。

資本主義的な市場経済においては、それが「仕事」と呼ばれる。

資本主義的な市場経済においては、「仕事」が貨幣を通じて売買される。この仕事をしたら、時給いくら。この商品を売れば、価格いくら。といった感じに、取引が一回こっきりで終わり、僕たちはランダムなタイミングでランダムな人々の役に立つ。

だけど、「仕事」は完全に対価をやり取りしているたけではない。

コンビニに老人が来れば、マニュアル外の対応をすることもあるし、八百屋で野菜を買えばおまけが付いてくることもある。厳格で人間関係を深めない売買という取引のなかでも、僕たちはちょっとした「贈りもの」をして、人間関係を深めていく。貨幣を媒介しなくても、お互いに役に立ち合うことで仲良くなり、一緒に仕事ができるようになることだってある。

あなたが、「社会」に入っていくために、贈りものとしてのやった「仕事」について、一緒に少し考えてみませんか?

室越 龍之介

#02 | 人と人のあいだで生きる 後編

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室越 龍之介 ( アンソロポロジスト、ライター )

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