バリスターナイロンについて
アメリカのインビスタ社が作る生地の中でも、アウトドアや耐久性を求められるシーンに使われる「CODURA®︎バリスティックナイロン」。防弾チョッキにも採用されるほどの強靭なスペックは、生地の中でも最強クラスをほこり、ミリスペックながら一般のさまざまな商品に活用されています。
バリスターナイロンは、そんな強靭なミリスペックを、国内で作り出した日本製の生地。しかも2520Dという、一般に流通しているバリスティックナイロンより太い糸を使用して、より頑強に作られています。
国内で生産されるなかでも最強クラスの強度を誇るこの生地は、カタログスペック以上にカバンという製品に落とし込まれた時、その魅力を発揮します。そんなバリスターナイロンの魅力を紐解いていきましょう。
生地の強さは、糸の強さ
WONDER BAGGAGE のバッグに使われている素材、バリスターナイロンは国内生地では最強クラスの強度をもつ生地です。
生地を作る糸は、元々アメリカで軍事用に使用されていた「超強力糸66ナイロン」を撚って使用。糸の太さ(質量)を示すデニール数(以下D)が2520Dもあるということは前述しましたが、その数値がどれほどすごいのか、比較として一般的な420デニールのナイロンの、等倍比較画像を用意しました。一見して、糸の粒の大きさが圧倒的に違うのがわかるかと思います。

生地を作る糸の強さは、そのまま生地の強さに繋がります。また、その佇まいはそのまま製品の見た目にも繋がり、独特の存在感を醸し出します。
一般的なナイロン生地は薄いもので210D、通常で420D、厚いもので1000D程度であり、2520Dという数値は通常のナイロン(420D)と比べると6倍もの強度を示す数値になっています。
バリスティックナイロンと呼ばれるものはおよそ1680~2100D。通常と比べて4~5倍。それらの数値を超えたバリスターナイロンは国内だけでなく、世界的に見ても非常に高い強度をもった素材だということがわかります。
余談ですが……メディアで見かける比較記事にある「通常ナイロンの**倍」という表記は、基準のナイロン生地のデニール数によって倍数がことなることになります。つまり、同じ5倍でも、薄い210Dを基準とした場合なら1050D。420Dを基準としたなら2100Dになるわけなのです。
深く調べてみると、この5倍の数値が各メーカーバラバラだったりするのは「通常の基準」がバラバラなためなのでしょう。
(※)デニール:1Dは9000メートルの糸の質量をグラム単位で表したもの。
スペック紹介
バリスターナイロンは、日本の生地メーカーが作っており、公的機関において、さまざまな比較テストが行われている。


表からもわかる通り、一般的なナイロン素材(420ナイロンオックス)と比べても、数倍の強度を持つバリスターナイロン。防弾チョッキにも採用される強靭さは、目を見張るものがあります。また、ナイロンの弱点でもある熱による溶解に対する耐性にも優れているのも、バッグブランドとしては見逃せません。
約800度のタバコ押し当てテストでは、30秒間も貫通せずに保ったというデータも。さまざまなシーンで出くわす「思わず」という場面でも、安心して使える素材ということが、こうした様々なスペックからわかっていただけるかと思います。
検証
前述の数値は、公的な検査期間における検証です。改めて、その強靭さを理解するために、簡易的ではありますが、WONDER BAGGAGEが独自に、420Dナイロンとの比較をおこないました。
引っ張り強度テスト動画
- 検証方法:同じ長さに切った生地片を機械により引っ張る。
- 検証結果:420Dは破断。バリスターは計測機械の強度不足により測定不能
- 過去に行った検査で、正確な数値がデータとして残っていないため、不正確な情報になりますが、バリスターナイロンは何度計測し直しても固定部分の強度が足りず、抜けてしまう結果に。
溶解テスト動画
- 検証方法:生地片を、蝋燭の炎(約1000〜1500度)に当て穴が開くまでを記録。
- 検証結果:420Dはすぐに融解後、炎上。バリスターはゆっくりと融解し、穴が開いた。
- タバコよりも早く融解したが、極端なテストなためそれも当然。融解までにも時間があり、例えば熱源の近くに置いてしまって溶けることや、タバコが当たってしまっても、それほど問題はなさそうだ。
防刃性能テスト動画
- 検証方法:生地片をカッターナイフで切りつける
- 検証結果:420Dは切れた。バリスターは複数の切りつけにも耐えた
- 複数回の切りつけは、通常時よりも力がかかりにくいとはいえ、糸自体の強靭さを見せつけられた。このあと、男性スタッフがさらに同じ箇所をなぞると切り裂くことができたが、ゴムのマットがあり体重をかけるなど、よほど力のかかる状況でなければ切り裂かれることはなさそうだった。
ロイヤルネイビー
WONDER BAGGAGEが使用しているバリスターナイロンのネイビーカラーは、ブランドオリジナルのロイヤルネイビーとなります。通常のインラインのネイビーは緑が強く含まれているのですが、このロイヤルネイビーは若干の赤味を帯びており、格式の高い印象を与えてくれます。

左がロイヤルネイビー。右がインラインネイビー
経年変化を楽しめるナイロン
バリスターナイロンは国内で製造されています。糸を生地にしていく過程の打ち込み密度、精度が高く、生地自体にハリとコシがあり、バッグにすると高い自立性を備えます。そうして精錬された技術・素材で作られたバッグは、高級感のある表情を生みだします。
そしてバリスターナイロンは、使い込む程に、少しずつ柔らかくなり、使い手に馴染んで行くという、ナイロンとしては珍しい、経年変化をする素材でもあります。

お手入れ方法
日常的なお手入れは基本必要ありません。汚れた場合は下記紹介している方法をお試しください。
カバンのお手入れ
WONDER BAGGAGE・LEKTのカバンを少しでも長くお使い頂くため、本体のナイロン材部分やレザー部分のお手入れ方法をご紹介致します。
- 注意事項
- 鞄を手や洗濯機で丸洗いすることは推奨致しません。 水を含んだ状態で鞄に負荷がかかると型崩れや破損の原因となります。
ナイロン
WONDER BAGGAE、LEKTのカバン全てのナイロン素材が対象です
基本的に日常的なお手入れは必要ありません。 汚れた場合は以下のお手入れをお試し下さい。
【用意するもの】
・布巾
お手入れ方法
1.硬く絞った濡れ布巾で汚れた箇所を優しく拭き取って下さい。
2.日陰で風通しの良い場所で乾かせてください。
※濡れたまま放置すると生地の裏面に施されているPU素材の劣化が早まる可能性がありますのでご注意ください。
レザー
日常的なお手入れ
【用意するもの】
・革用ブラシ
・布巾
・クリーム
お手入れ方法
1.ブラシで表面についたホコリを払います。
2.綺麗な柔らかい布にクリームをとります。
3.サッと全体に薄く手早く馴染ませます。
4.塗り終わったら日陰で風通しの良い場所で乾かしてください。
最初にブラシで表面についたホコリを払います。
布にクリームをとり、素早く革全体に馴染ませます。
※クリームの量は革の範囲によって異なりますので少量ずつ調整してください。
※塗りすぎはシミの原因になります。
※クリームによっては革との相性が合わない場合がありますので最初は目立たない箇所でお試しください。
より綺麗にお使い頂くためには最後に防水スプレーの使用をオススメします。 20cmほど間隔を開けて防水スプレーを満遍なく振りかけてください。
※防水スプレーは必ず屋外でご使用ください。
水に濡れた場合
【用意するもの】
・布巾
お手入れ方法
1.革の色ムラを無くすためにすぐに革全体を硬く絞った濡れ布巾で優しく拭いてください。
2.日陰で風通しの良い場所で乾かせてください。
※長時間濡れてしまった場合は水分で革が硬くなってしまいますので、革用のクリームなどをお使いください。
革全体の色を均一にするように濡れ布巾で拭いてください。
汚れた場合
【用意するもの】
・布巾
・リムーバー
・クリーム
お手入れ方法
1.布巾にリムーバーを数滴とり革全体に塗布します。
2.布巾にクリームを少量とり薄く全体に塗布して革を保湿します。
3.別の布で優しく乾拭きして下さい。余分なクリームを取り除きます。
クリームが乾いた後、仕上げに防水スプレーを使うと防水だけでなく汚れの防止にもなります。
リムーバーを革全体に塗布します。
※汚れた箇所はトントンと叩いて汚れを浮き上がらせるようにして落として下さい。
※全体に均一に塗れていないと色ムラの原因になります。
革にクリームを塗布します。
※クリームの量は革の範囲によって異なるので少量ずつ調整してください。
※このときブラシを使うと生地の縫い目や革の凹凸に細かく塗布できます。
レザー(ハンドル)
色の変化が気になる場合
【用意するもの】
・布巾
・色付きの革用クリーム
・革用ブラシ
お手入れ方法
1.ブラシで優しくホコリや汚れを落とします。
2.布にクリームをとり、革に塗り込みます。
※クリームはカバンの革より少し深い色の靴クリームを選んでください。
※色のせ用のブラシがあればブラシを使うと、入りにくいところまで色が入りますが、濃くなりすぎることもあるので、 注意しながら色のせしましょう。
3.全体に色がのったら完了です。
仕上げに防水スプレーを使うと防水だけでなく汚れの防止にもなります。
革の色ムラが目立ちます
色付きの革用クリーム。「乳化性クリーム」は、革に栄養と自然なツヤを与えます。
綺麗な布にクリームをとり、塗り込んでいきます
※色がのらない場所は、使っているクリームに少し黒を混ぜてみてください。
ブラシを使うと細かいところまで色が入りやすくなります。※塗りすぎにはご注意ください
ビフォアアフターの様子。綺麗に色が入りました。
その他パーツ
ファスナー
基本的にお手入れは必要ありませんが、滑りが固くなってきた時には以下のお手入れをお試しください。
【用意するもの】
・ファスナー用潤滑剤(スプレー)
お手入れ方法
1.ファスナーに直接潤滑剤をスプレーします。
2.スプレー後はよく乾かしてください。
※長時間スプレーすると生地の変色につながるのでご注意ください
Dカン・金属パーツ
基本的にお手入れは必要ありませんが濡れた場合はサビや剥離の原因になりますので、そのままにせず拭き取ってください。
サビが発生した場合は以下のお手入れをお試しください。
【用意するもの】
・金属磨き
・柔らかい布
お手入れ方法
1.布に金属磨きを適量とります。
2.金属全体に塗布します。
3.金属磨きの付いていない綺麗な面で乾拭きをします。
※革に付着しないよう注意してください

メンテナンスをして頂くことで大切なカバンを少しでも長くご使用いただけましたら幸いです。
また、生地の劣化や破損などありましたら修理サービスを実施しておりますので、ぜひご活用ください。
修理事例のご紹介
WONDER BAGGAGEではカバンの修理を受け付けており、ご購入から2年間以内の破損は無償にて修理を承る無償修理保証を設けています。また、旗艦店である「BATON STORE」と「ストラクト」にてお買い上げのお客様には1年延長して3年間としています。
修理について実際の事例をご紹介いたします。修理をご検討の方はぜひ参考にしてみて下さい。
修理事例


持ち手レザー・カバンヘリ巻き交換

内装生地交換
- ・商品名:GOODMANS DAILY 2WAY TOTE:ネイビー
- ・修理個所:持ち手革交換、内装生地交換
- ・ご使用期間:約4年ほど
- ・修理費用:約13,000円ほど(※費用はモデルやカバンのご使用状況によって変動します)
持ち手の革は長年ご使用いただいていることから、かなり経年変化が進んでいたため新しく持ち手を交換。内装の生地は左右端が大きく穴が空いている状態でした。
こちらの傷は書類のファイルなどを出し入れする際に角がこすれたことが原因と予想されます。
こちらは内装の生地を丸ごと交換する方法にて修理を行いました。少し大がかりな内容のため修理期間は1ヶ月半ほどでした。
ご使用上の経年変化による破損や交換は無償修理保証対象外となるため、内装生地の交換・持ち手の交換含めて有償で対応させて頂きました。
保証修理期間外でも修理は承っておりますので、お気軽にご相談いただけましたら幸いです。
修理のお問い合わせはこちら



